団地の相続
なんだか最近よく手にするのが”相続”関連の本。
今日の1冊は、遺品整理から不動産業を始めた人の本「不動産が負動産になる」です。
2015年の本ですが、なかなか勉強になりました。
本の中で区分所有の不動産に触れているのは一部ですが、当然ネガティブな話ばかりです。
売れるだろうと思って相続したものの、買い手は一向に現れず。
その間も固定資産税、管理費、修繕積立金の支払い責任はあるので、年間50万円の出費が続く…。
といった内容です。
相続は放棄することもできますが、
その場合はすべての相続を放棄することになるし、
しかも相続発生から3か月以内という期限もあります。
などなど、知っておいて損はない、というか知っておいたほうが良い内容でした。
で、考えるのは、団地だとどうなるのか。
介護はもちろんですが、団地でこれから増えてくる課題は”相続”です。
家余りのこの時代、これからも空き家は増え続けていきます。
そんな時代に、親が住んでいた団地の住戸を相続するとしたら…。
相続して新しくオーナーになった人たちがその部屋を活用していけるように、
なんとか手助けしようというのはこれまでも考えていたことです。
今回考えたのは、”相続放棄”という場合。
もし売買や賃貸の手間、リフォーム、管理費などの費用負担を嫌って、
団地の住戸を相続放棄する人が出てきたら、
管理組合にはどんな影響が出てくるでしょうか。
詳しくは書ききれませんが、いいことはひとつもありません…。
相続されなかった住戸は、国の財産になるわけですが、
国が管理費を払ってくれるわけありません。
申し立てがあれば、裁判所によって相続財産の管理人という人が選出されて、
競売にかけるなどしてお金にする作業をしてくれます。
その管理人の報酬などがひかれた残額を、国に納めるという流れです。
で、肝心の管理費はだれが払うのかというと、新たな所有者です。
なんと、相続が発生してから新しい所有者が決まるまで、管理費は滞納し続けているという状態です。
それだけでも大変な負担なのに、
もし管理組合が相続財産の管理人選出を裁判所に申し立てると、
その時に100万円ほどの予納金(管理人の報酬にあてるため)を納めないといけません。
さらに、競売にかけても売れなかったらもう…。
結局、管理組合にとって一番重要なことは、
新しい所有者が早く見つかることなわけです。
普通に相続した場合でも、相続放棄した場合でも、
早く次の買い手借り手が見つかる状態であればひとまず対応できるでしょう。
ただし、人口は減っていくし、持ち家志向の人は減るしで、
買い手が見つかる状態を作るのも困難だとは思います。
そうなってくると、次に出てくるのは、管理組合が新たな所有者になるという方法。
その場合、どうやって活用していくかが新たな課題になりますが、
それはまたの機会に考えたいと思います。
相続が増えるというあらたな局面に入った感(全く勝手な感覚ですが…)が出てきました。
相続するほうも遺すほうも、前もって考える場を持つことから始めてみるのもいいと思います。
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