独立への一歩として
「独立」といっても、起業の話ではなく、親元から離れて暮らすという「独立」。
日本では、20年前に比べて、若い世代の独立、独立後の転居が6割程度になっているそうです。
今朝の日経で、東京都の世帯年収の変化と賃貸住宅の月額家賃の変化とともに紹介されていた記事が、とても興味深い内容でした。
記事によると、世帯の年収は低所得側にシフトしてきたけれども、
月額家賃は高額にシフトしてきたと。
この状況が若者の親元からの独立をしにくくさせていて、
さらに、ヨーロッパではこれを補う役目の公的賃貸住宅が20%前後あるのに対して、日本は5%。
若者が独立し、結婚へといった「次の段階」に踏み出すことを、
本人たちが望めばできる社会のために、低コスト賃貸など、住宅からのアプローチがより必要だという内容でした。
とてもよくわかります。
私自身、親元から離れて暮らし始めたことで、いろんな世界を見ることができました。
第2の人生が始まったような感覚です。
決して親元にいることが窮屈だったとか、嫌だったわけではありません。
とどまっていたとしても、その選択のもとに、いい人生になっていったでしょう。
でも、やっぱり一歩踏み出してよかったと思います。
高い家賃に対しては、私の場合はシェアすることで対応しました。
むしろそうしないと暮らせない状況でした。
シェアという方法は、これからもっと浸透していってほしいですし、
当たり前の選択肢になっていくことと思います。
その一方で、家賃補助などの支援も充実させてほしいという気持ちもありますが、
あまりそこに期待してもどうかという気持ちも…。
幸か不幸か、日本全国、空き部屋や空き家はたくさんあります。
私の専門である分譲団地でいえば、マンションと同じで所有者は必ずいます。
ですが、自分が住んでいない部屋をそのまま空き部屋にしていても貸していても、
毎月の管理人修繕積立金は払う義務があります。
持っているだけで、毎月お金が出ていく。そんな部屋がたくさんあります…。
公的住宅や家賃補助とはちょっと違うけれど、
その部屋を、これから一歩踏み出そうという若い人たちに、安くで使ってもらうためにはどうしたらいいか、そんなことを日々考えています。
きっとたくさんの人が同じようなことを考えて、いろんな課題にぶち当たっているんだろうと思います。
(そうでなかったら、とっくに団地の空き部屋はなくなっているでしょう)
まだ、これだ!という一手には到達していませんが、
いろんな試行錯誤を繰り返していくことで、きっと道は開けていくのだと思います。