初めての団地セルフリノベ①団地との出会い
団地との出会いは、2010年の夏でした。
当時は夫婦二人で2DKの賃貸暮らしでしたが、内装をいじれないこと、
自分の暮らしにあっていないところも変えられない不自由さが嫌で、
ローン無しで買える部屋を探していました。
私たち夫婦にとっての条件は「安いところ」
ある程度のエリアと広さ、それに安さで探すと、団地が引っかかるのは当然。
というよりも団地しか残っていないのが現実でした。
なぜって、予算は3~400万ですから。
なんて無謀な部屋探しでしょう...。
でも、ネットで探すとあったりするんですね。
しかも数件も。
その時は正直、「でも、団地やろ?」って思いました。
そこで「じゃあもう賃貸でいっか」って諦めてたら、人生変わんなかったでしょうね。
「とりあえず見るだけ見るか」っていう気持ちと
これまで足を踏み入れたことのない「団地」という存在への興味。
そのふたつで、実際に見に行きました。
◇◇◇ 出会い1日目 ◇◇◇
まずは、不動産屋をからめずに自分ひとりでまわります。
暑い暑い夏でした。
車を持っていない私は、駅から歩いてまずひとつめ。
「ふ~ん、これが団地かあ~。」そんな程度でした。
さらに歩いて2つめ。
「おお、なかなかええんちゃう?」
そして、3つめ、4つめ、5つめ...
どれだけ歩くのっていうぐらい歩きましたね。
で、その日の感想は、
「へんぴなとこばっかり...うちの奥さん、YESって言わんよなあ」。
それでも駅前に戻ってきて、不動産屋に入って尋ねます。
「予算これぐらいで、これぐらい広い部屋ありますか?」
優しい人でした。
利益が少ない客なのに、ちゃんと調べてくれました。
(手間は一緒でも、手数料は物件の金額に比例しますから)
で、出してくれたのが、数件。
その日に行った2つ目の団地も含まれてました。
でも、正直、不動産のチラシを見ただけではぱっとせず、
後日、あらためて奥さんと見てまわろうということで、その日はおしまいでした。
けっこうな坂道をのぼり、暑い中一日中歩き回った私は、疲れ切って家路につきました。
こうして団地との出会いの一日目は過ぎていきます。
◇◇◇ 出会い2日目 ◇◇◇
団地との運命の出会い2日目は、奥さんと二人、レンタカーで団地めぐりです。
初日は歩きでしたが、今度は楽チンです。
1つめの団地、2つめ、3つめ。
奥さんの反応はあんまり芳しくありません...
それはそうですよね。
彼女の一番の関心は、「便利かどうか」
私としては、それぞれの団地で気に入ったところがあったのですが、
へんぴなところにある団地では、彼女の気持ちは動きません。
「便利かどうか」は、自分たちだけじゃなく、
将来貸したり、売ったりするときにも重要なポイントになります。
ある意味、すごくまっとうなこだわりポイントです。
自分の足と、自転車があれば、どこでも行ける!と思ってしまう私よりも断然まともです(笑)
このときに、部屋や建物の古さにこだわってなかったところが、彼女のえらいところ。
リノベーション向きな思考です。
そんな訳で、その一日も終わりに差しかかり、収穫がないまま、もう帰ろうかなという頃。
レンタカーを返す時間まで少し時間があるので、あと一件まわろうということで、最後のひとつにやってきました。
最後になっているということは、不動産のチラシでは全く惹かれなかったということ。
間取り図があって、築年数・住所・駅徒歩・管理費・管理形態などなどの基本情報に、
アピールポイントが、たしか「小学校が徒歩○分」です。
正直惹かれませんでした...
でも、実際行ってみて、ふたりしてびっくり!!
なんだここは!! ほんとにココがチラシの団地?!
最初は信じられませんでした。
まわりには、大手のスーパーが立ち並び、ホームセンター、レンタルビデオ、人もたくさん歩いています。
車を停めて、団地内に入ってみると、またまたびっくり!!
一言でいうと、「愛情」を感じました。
外壁は綺麗に塗られ、住棟のまわりの芝生や樹はよく手入れされています。
建物や敷地の空気が、どよ~んとしていないんです。
「う~ん、これはすごい!」
その場で、不動産屋に電話して、後日、中を見せてもらう約束をしました。
そのまま帰らなくって、ほんとによかった。
帰ってたら、後日見に行くことは絶対なかったでしょう。
偶然の巡り会わせというか、運命とも呼べる出会いに感謝です。
チラシだけでは、その団地のほんとの魅力は伝わっていない。
そのことを思い知らされました。
こうして出会った団地の部屋が私の人生を大きく変えるきっかけとなりました。