新たな縁のある社会
日本はいま、人口が減少し、少子高齢化まっしぐらです。
国を挙げて、少子化に歯止めをかけようとしていますが、
先日のあるシンポジウムでもそれが一つのテーマとなっていました。
講演の内容がかなり印象的だったので、少し触れさせていただくと、
「1000年以上前から2008年まで、日本の人口は増え続けてきました。
その間、経済的に苦しい時も、将来への不安に満ちていた時もあったけれど、
(特に経済成長の時期に)人口は増え続けてきました。
それが今、初めて減っています。」
「人口減少の原因のひとつは、戦後の経済発展の結果として、
伝統的な家族の形態が壊れてきた(=核家族化した)こと。
以前の形態(権威主義的家族)に戻ることは不可能であり、
これからは、家族に代わる共同体による縁を作っていくことが必要です。」
といった内容です。
地縁や血縁が失われてきた今、
それらの縁に代わる新たな縁を私たちが探していることは確かだと思います。
その新たな縁が、少子化の解決になるかどうかはまだ定かではありませんが、
日本が、これまで経験したことのない人口減という段階にあるいま、
これまでの考え方や習慣、価値観にとらわれていては先に進むことはできないのかもしれません。
そのひとつの例が、婚外子です。
ヨーロッパでは、婚外子の割合が40~50%であり、
結婚することと子どもをもつことの関係性が薄くなっているそうです。
日本では、その割合は2.1%。
結婚するときにはお互いの家のことを気にして、
結婚したら子ども、というのが主流。
何の疑いもなくそうしているし、そうじゃない人を見ると違和感を感じてしまうのが今の普通です。
でも、もしかしたら、そういう習慣や考えからいったん離れてみることが必要なのかもしれません。
例えば、未婚で子どもをもつことはごく当たり前で、
一緒に暮らしていても、結婚しているかどうかは関係なく、
子どもの世話は、親だけがするのではなく、
親の両親が助けに来るのでもなく、
周りに暮らしている大人たちが世話する。
今の考え方を捨ててみると、それほどおかしな状態ではないと思えませんか?
10年後には、日本がこんな世の中になっていることは十分考えられますよね。
団地について考えてみると、
団地には、子どもの世話に慣れた人がたくさんいます。
シングルマザーも住んでいます。
ひとりで暮らしている人もたくさんいます。
もちろん、夫婦や子どもと一緒に暮らしている人もいます。
そんな人たちが、団地という一つの空間に集まって暮らしています。
家族に代わる新たな縁が生まれても不思議ではありません。
団地は意外と、新しい世の中に最も移っていきやすい暮らしの場ではないかとも思います。
新しい世の中が、団地から始まるかもしれません。
「団地の暮らし」と聞いた時に持ってもらいたいイメージを考えています。
まだ結論は出ていませんが、「団地=縁のある暮らし」というのがなんとなくしっくりくるし、
これからの日本に求められていることのように感じています。
その新しい世の中に向かっていくために、何からやっていくか?
それがこれからの課題です。
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