『団地』って何?
団地、団地、っていうけれど、いったい何が団地なんでしょうね。
「団地」って聞いて、思い起こすイメージって、地域によっても普段の関わりによっても違ってきます。
一度、整理しておいた方がよさそうですよね。
ということで、今回は『団地』って何?というお話です。
1.「団地」の定義
「団地」とは、区分所有法によると、
【一区画内に数棟の建物があり、かつその区画内の土地、
または付属施設がそれらの建物の所有者の共有に属する場合をいう】
とあります。
ということは、
・建物が、一区画内に数棟建っている。
・その区画内の土地か付属施設が、所有者の共用になっている。
という状態になってることを、団地と呼ぶんですね。
なので「団地」といっても、
いわゆる団地(団地型マンション)があったり、
戸建ての団地があったり、
工業団地があったりするんですね。
なるほど。
2.「団地型マンション」の種類
そして、団地型マンションについては、建てた主体の違いで、
・公団(旧住宅公団、今は名前が変わってUR都市機構となっている)
・公社(東京住宅供給公社や埼玉住宅供給公社というやつです)
・民間
とわかれています。
公団公社の団地、民間の団地、なんていう風に呼ばれています。
さらに、もうひとつの分け方として、分譲か賃貸か、があります。
今のUR都市機構の団地は、すべて賃貸となっていますが、
分譲の団地を賃貸として使っている所有者ももちろんいらっしゃいます。
結局、団地型マンションは、大きくは
① 公団の賃貸団地 (UR賃貸)
② 公団の分譲団地
③ 民間の賃貸団地
④ 民間の分譲団地
に分かれるということです。
この内、買うことができるのは、②と④の分譲団地ですね。
③も一括で売られていれば買うことは可能ですね。
(官舎が売られたりしているようです)
3.団地を買う
私が、団地を買ってリノベしてます。っていう話をすると、
「団地って買えるんですか?!」
と驚く人がいらっしゃいますが、その方にとっては、
「団地」=URの賃貸
だったんでしょうね。
団地も買えるんですよ~。
不動産の広告を見ていると、
②は中古公団、
④は中古マンションと記載されていることが多いですね。
どの不動産屋も「中古団地」とは書いていないです。
その方が伝わりやすいということでしょうか?
ちなみに、最近、団地のリノベーションとして、ニュースになっているのは、
URと民間の企業(IKEAとか無印とか)が協力して行っている事業です。
URという団地のオーナーがいるので、ある部分では新事業が進めやすいと思います。
そして、企業の知名度があるのが大きいですね。
IKEAファンや無印マニアがいるので、客付けも相当楽でしょう。
問題になるのはそれ以外の団地、分譲の団地です。
これは各住戸にオーナー(区分所有者)がいて、
それぞれの住む権利が守られています。
多数決での合意(割合は案件により異なる)を得なければ、
建替えはもちろん、大規模な建物の改修も行えません。
団地再生だけに限りませんが、平等な権利を持つ人たちの集まりでは、
合意の形成をいかに図るかということが非常に重要となっています。
逆に合意形成がしっかりとできているところは、非常に心強いコミュニティだと言えます。
団地に関わるときにとても大変なのが、この合意形成で、
同時に醍醐味を味わえるのも、この部分です。
最後はちょっと硬い話になってしまいました…。
ということで、今回は団地の定義についてでした。
これでもう、「団地」って聞いて悩むことはありませんね。