団地のDIY賃貸ってどうなのか
先日、千葉で活動されている『ちば地域再生リサーチ』の御一行が
新狭山ハイツにいらっしゃいました。
いろんな活動をされているすごいNPOですが、
DIY賃貸を取り入れて千葉の空き部屋活用を進めるという取組みも始められたということで、
今回は新狭山ハイツで私がやってきたリノベに関しての視察です。
リノベに特化した視察は初めて?なので、なかなかどきどきしましたね。
戸数は少ないながらも、リノベした部屋には全部住んでくれているので、
新狭山ハイツという団地での賃貸は、うまくいっていると言えばいってますかね。
でもまあ、最初のうちは(特にシェアハウスやりはじめは…)
いろいろいろいろ、うまくいかないことがありつつもよく我慢したなあ、というのがほんとのところです。
その頃のこともお話しさせていただきました。
シェアハウス、ファミリー向け、リノベモデルハウスと、3戸廻ってもらいました。
みなさん、うちの部屋の手づくり感に驚かれてましたね。
良く言えば、手づくり感。悪く言えば、素人っぽさ。笑
専門家や先生という立場の方が多く、みなさんにとってはこういうリノベは新鮮だったようです。
喜んでもらえてなによりでした。
建築とか勉強してたら、いまやってるようなリノベはできなかったかもしれないなあ、と私自身よく思います。
部屋を創るときに気にしてるのは、入居者とその暮らしを想定すること。
そして、あとはお金を掛けないので、アイデアと遊び心で勝負です。
専門的な知識とか慣習とか、まったくないところから始めてます。
”普通”っていうものがないので、やりたいようにできます。
(もちろん、安全だとかには気を付けてますが)
今回は、あらためてDIY可の賃貸について考えるいい機会にもなりました。
うちの部屋は全部、”DIY可” にしてます。
それって特に売りにしてるわけでもなく、ごくごく当たり前のこととして”DIY可”です。
相談さえしてくれれば、可能なことは基本的には全部OK。
どうやったら実現できるのか一緒に考えるし、工具も貸します。
うちは部屋を提供しているわけではなくて、暮らしを提供していると思ってます。
で、暮らしって、当然ですが、そこで暮らしてる人が作っていくものです。
部屋に入居するのはそこでの暮らしのスタートで、
そこからどんな暮らしを創っていくか、が大切なところ。
DIYでその人の暮らしにあった部屋にしていけるのは、やっぱり当然じゃないかと。
なーんていうことは、賃貸やってる人たちは多くの人が思っていることなんだろうけど
なんだかまだまだ広がらないようですね、DIY可って。
”原状回復義務なし” とかそういう堅いことでなくて、
一緒に部屋づくりしていきますよっていう気持ちで相談に乗ったりしてあげたらいいんじゃないの?って思います。
そしたらとんでもないことを勝手にやっちゃう人っていないんじゃないかなあ。
そんな単純な話でもないのかなあ。
うちがいい入居者さんに恵まれてるだけなのか、規模が小さいから対応できることなのか。
空室対策という視点で、DIY可を打ち出すこともよくありますが、
わたしもシェアハウスの初期の頃には、オーダーメイド賃貸っていうのを試してみました。
結果はひどいものでしたね…。
その痛い経験から学んだことも多いです。
オーダーメイドやDIY可の賃貸にしたことによって、空室が埋まるかと聞かれれば、
新狭山ハイツの場合は”NO”ではないかと答えます。
あったらうれしいオプションではあるけれど、それがあるからハイツに引っ越してくるかというと、そうではないと感じています。
やっぱりまずは新狭山ハイツの暮らしに魅力を感じて来てもらうのが最初で、
”DIY可”というスタイルでさらに暮らしを楽しんでもらうっていう順番が自然ではないかと。
ひとつの団地全体でどの部屋も”DIY可”だと打ち出せば、
それはそれで、”DIY”っていうライフスタイルがその団地の魅力やブランドイメージになり得るとは思いますが、
それができるのは、民間分譲の団地ではなく、URや公社、もしくは一棟マンションなど、
オーナーさんが一人の場合かなと思います。
(大阪のURにはそういうところがたしかあったような…)
新狭山ハイツに関しては、
自然豊かな環境(こう書いてしまうとちょっとありきたりな表現ですが…)がハイツ暮らしの魅力であり、ブランドイメージとして定着してきています。
今の時点では、そのPRに力を入れていくのが空室対策の近道だと思いますね。